通信制高校に入ることは甘え?卒業生による自論

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たまたま目に留まった検索候補「通信制高校 甘え」。どれどれと思いそのまま検索してみると、「自分は通信制高校に行きたいのに、親に“通信制高校に入ることは甘えだ”と反対されている人」が結構いるようです。

通信制高校 甘え

これに対しての自論を、通信制高校卒業生である私が語ってまいります。

私は、親ではなく自分自身が気乗りしないまま通信制高校に入った立場です。しかも中高一貫校からの転入でした。(中高一貫校で1年留年しています。)2012年卒で、おそらく当時の方が現在よりも通信制高校に対する世間のイメージは良くなかったと思います。

通信制高校に入ることは甘えではない

結論から先に書くと、私は「通信制高校に入ることは甘えではない」と思っています。そもそも仮に甘えだとしても、甘えてはいけない理由がよくわからないのです。

どんな過酷な環境でも同じところにいつづけたら、それでいいのでしょうか?それでいいのだとして、何のためにそうするのでしょうか?

親世代は、私たち若い世代をひとまとめにして「甘ったれ」と思うことが多いでしょう。昔は根性論を振りかざし、振りかざされて生きるのが当たり前でしたから、仕方がありません。それに、「最近の若者は甘ったれ」というのは、確かにその通りだと思うことが、社会人になってから自分自身のことを含めてありました。

しかしそれが悪いことだとは全く思いません。なぜなら、今はいろいろな生き方があるから。

いろいろな生き方ができる時代に、なぜいろいろな生き方をしてはいけないのでしょうか?みんな、自分が幸せになるのが一番なのに、なぜわざわざ自分に適した生き方を無視して辛さを経験しないといけないのでしょうか?

それが良いことで逃げるのは悪いことだと、誰が決めたのですか?「逃げ癖がつく」と言う人もいますが、それのどこに問題があるのでしょう?

「逃げ癖」については、取捨選択すればいいだけの話です。社会に出れば「ここで逃げてはいけない」ということが自ずと判断できるようになります。そこさえ押さえておけばいいのではないですか?もし要所要所ではなくすべてから逃げたいのであれば、キリのいいところまでやって逃げればいいではないですか。これのどこに問題があるのでしょう。

昔は根性論でやっていかないと、生きられなかったのでしょう。レールから外れたらもう終わりだったのでしょう。だから辛くても歯を食いしばるしかなかった。それが当たり前だった。妻が夫や姑からぞんざいな扱いを受けても、生きるために我慢するしかなかった。みんなそうやって生きてきた。…それがこの時代でも“良いこと”なのでしょうか。

今は時代が変わりました。そんなことをしなくたって生きていけるようになっています。自宅やカフェで仕事をして食べていける時代です。一か所に無理して留まり続ける必要性がないのです。

逃げ場が自分にぴったりで、自分の力を存分に発揮できるのなら、そちらに行った方が自分も周りの人もハッピーになるはずです。幸せを感じながら生きてはいけないのでしょうか?

「辛さを乗り越えた先に幸せがある」ということもあるとは思います。しかしそれは結果論でしかありません。辛さに負けて死を選ぶ人がいることをどう説明しますか。

何でも「甘えだ」と片づける人は、若かろうが本当に年を取っていようが老害だと思っています。自分がその辛さの代償を払えるわけでもないのに。

「親の教育」の必要性

通信制高校への進学を反対する親は、通信制高校について無知なのではないでしょうか。私自身がそうだったので他人のことはあまり言えませんが。通信制高校について知識があれば、頭ごなしに反対することはないように思います。通信制高校はきちんとメリットのある学校だからです。

通信制高校 卒業 不登校通信制高校に通うメリット・デメリット by 中高一貫校からの転入者

私の母は、私が全日制高校で留年したときに、今後のことを決めるにあたって、通信制高校についてよく調べていました。授業の進め方や内容から「大学進学は難しいかもしれない…そうなると就職も…」と思ったでしょうが、とにかく私が生きて、高校だけでも卒業できたら御の字だという感じで、通信制高校への進学について、否定的には思わなかったようです。

「高卒資格」は、全日制高校だろうが通信制高校だろうが価値は同じです。高校卒業後、大学なり専門学校なりに進学すれば、どこの高校を出たというのは関係なくなります。就職の面接で、なぜ中高一貫校から通信制高校に移ったのか聞かれはしましたが、それは他の人とは違う履歴書だから聞いてみようレベルのことだったと思います。そうでなければ大学病院などに就職できないでしょう。

通信制高校に通ったからといってその先の進路が絶たれるわけではないし、社会で活躍できないわけでもないです。そのあたりをきちんと教育しなければなりません、親に。

「通信制高校に行ったことで精神疾患が治って、大学を出て歯科衛生士になって大学病院に就職した私」という例では足りないでしょうか。「産休育休」「足の骨折で休職」とたくさんの恩恵を受け、定時で強制的に帰らされ、どの会社よりもホワイトなところに就職したと思っていますが、通信制高校卒なのでダメでしょうか?

そもそも、通信制高校の何がダメなのでしょう。子供が納得できるくらいの説明をしてほしいものです。そして、「何のために子供を高校に通わせるのか」についても考えを聞きたいですね。

口で伝えるだけではダメなら学校のパンフレットを

通信制高校では学校紹介のパンフレットを用意しています。学生の様子や進路のこと、学費のことなど詳しい情報が載っています。どんな理由で通信制高校に行きたいのか、パンフレットを見せながら具体的に説明してみるのも、親を説得するひとつの手かなと思います。

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おわりに

この記事を書きながら、親も子も、なぜそう思うのか「理由の説明」が重要だと感じました。やみくもに反対されれば反抗心が生まれますし、自分の考えに自信もなくなります。どのような結果になろうと、自分の気持ちや考えを明確に伝え、親の気持ちや考えも聞き出すようにできたらいいですね。

ということで、「通信制高校に入ることは甘えではない」という自論でした。